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桐野夏生『ダーク』

ネタバレ注意です。女探偵ミロ・シリーズの三作目。ミロがブチ切れてお馴染みの登場人物が次々を破滅に追い込まれるとの前評判通りの凄まじい作品。おかげでファンの間では賛否両論あるらしい。でも僕は好きだな。陰惨な内容もここまでくると爽快感がある。ただ結末は若干不可解だった。まさか友部や久恵や鄭が生き残るとは。確かに友部や久恵は悲惨な目にはあったが破滅とは程遠い。むしろ最後はみな案外楽しそうにしている。何かが大きく損なわれたというよりはエンドレスな結びだったと思う。結局、善三が一人割を食ったのではないか。しかしその善三も自業自得といえなくもない。小樽の海の見える家などに隠居するからだ。漢江の中州に渡ってしまったミロしかり、桐野作品において水辺に近付く者にロクなことが起こらないのは定説なのに。
そしてこれも定番の運命の人について。『天使に見捨てられた夜』読了時点で『ダーク』において友部が死ぬ、もしくは社会的死に至ると予言したが前述の通りこの予想は見事に裏切られた。どうやら友部は『柔らかな頬』における主人公の不倫相手の様に出会いや事件を契機に変容を生きるタイプの人物だったようだ。しかし『ダーク』における運命の人である徐は銃で撃たれ下半身付随になり刑務所に収監されるのでパターン予測自体は間違いなくよしとしたい。

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